盃洗とコンポート - フラワーコーディネーター森 由美子のホームページ

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盃洗とコンポート

     
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おしゃれなコンポートに、庭の椿とアイビー、アジアンタムをあわせて活けてみました。

    

右: 写真の椿のアレンジメントにつかったコンポート。名古屋で作られたオキュパイド・ジャパンの製品です。

左: 三軒茶屋の古道具店で出合った最初の盃洗

 

 盃洗(はいせん)は、お酒の席で、やり取りする杯を洗いすすぐための器のことです。ひとつの盃(さかずき)やおちょこで酒を酌み交わすことが、日本では昔から、お互いの心を通わせるための流儀だったのでしょう。献杯やお流れ頂戴などの習慣としていまでも残る習慣ですが、そのために生み出されたものが盃洗です。江戸時代後期に始まり、陶磁器や漆器で様々なものが作られてきました。

 

 酒席には全く縁のない私が、盃洗のことを初めて知り、興味を持ったのは、恵泉女学園の園芸科に入学し、フラワーアレンジメントを学びだしてから間もなくの頃です。ご指導いただいた岡見義男先生の花器についての講習の折に、「日本の盃洗がヨーロッパに渡り、コンポートの原型になった」とお聞きしたときのことです。

 

 ヨーロッパのコンポート(compote)は、フランスやイギリスでポピュラーな果物の砂糖煮のことですが、これを盛るための脚付きの器もコンポートと呼ばれ、花器にも応用されています。見比べてみると、なるほど日本の盃洗とそっくりな形をしています。

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   岡見先生の授業のあと、盃洗が家にないかと母に聞いたのですが、ないという返事でした。あったのは、私が生け花に使っていた脚付きのコンポート風の器(左図)がいくつかだけでしたが、それらも盃洗の影響を受けたものかしらと、当時新鮮な気持ちで眺め入ったものです。
                                                                          

 

 盃洗とやっと出合ったのは、それから2年後、中学時代より茶道を教えていただいていた秋山松子先生のお教室にほど近い、世田谷・三軒茶屋の古道具店に立ち寄った折のことでした。本物の盃洗を陳列台の上に見つけた時には、それはそれは嬉しくて、園芸科卒業後に勤め始めたばかりの恵泉園芸センターの初給料から買い求めてしまいました。

 

 これが私と盃洗との最初のめぐり合いでした。その後出合ったものも一緒にご紹介いたしましょう。

 

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伊万里染付の盃洗5点

 

左の5点を上から見ると、美しい図柄がほどこされていることが分かります。

 

 

 

 

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左側は九谷焼、右側は古伊万里赤絵   左の2点を上から見たところです。