山梨ゆかりの七夕人形「お留守居さん」! - フラワーコーディネーター森 由美子のホームページ

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山梨ゆかりの七夕人形「お留守居さん」!

 

7月に入り、梅雨明けも間近。いよいよ盛夏です。一年の折り返し点にあたる7月。日本列島の各地で、夏祭りが行われるときです。

 

「お祭り」といえば、お神輿や山車が主役になる、にぎやかで心浮き立つ祭事をまず思い浮かべますが、もともとは神や祖先を“まつる”行事のことですから、中には心静かに迎える「お祭り」もたくさんあります。そのひとつが「七夕まつり」でしょう。私にとっても思い出深いお祭りのひとつです。

 

小学一年生のときの、思い出に残る写真があります。1クラス50数人の生徒の後ろには大きな七夕飾り。最前列、おかっぱ頭に下駄ばきで座っているのが私です。担任の先生が美術担当の方でしたので、手作りされた七夕飾りはそれは見事で豪華でした。

 

 都下・小平にあった恵泉女学園の園芸科に入学して、初めて迎えた七夕まつり。バラ園に囲まれた芝生の広場に、大きな七夕飾りの竹が立てられました。芝生に寝ころび、芝生と大地の香りに包まれ、見上げた夜空の雄大な天の川。笹竹の中で、迷い込んだホタルがピカッ、ピカッと光りました。私にとって、いまでも忘れられない夢のような映像です

 

     

  私の高原の店「ギャラリー・フラワーカレンダー」でこの夏開催する『日本と世界の紙・箱展』の準備のために、世田谷から小淵沢へ出かけようとしていたときのことです。いつものように、山梨県のイベント情報が満載されているウエブサイト『富士の国やまなし観光ネット』を開いてみましたところ、7月2日、3日の両日、中央市の豊富郷土資料館で「甲斐の七夕人形・お留守居さんを作ろう」という体験イベント[右の告知ポスター]が催されることを知りました。

 

 まず、「お留守居さん」というネーミングに心ひかれました。山梨伝統の七夕人形だということです。今年のギャラリー展示のテーマ「紙」にも通じますので、興味がわきました。  

 

 7月2日の朝、小淵沢から豊富郷土資料館へ向かいました。着いたときには、10時からの会に参加している子供たちが、真剣な面持ちで人形作りに取り組んでいました。私たちは11時からの会に参加させていただくことになりました。                                        

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 山梨県には、昔から男女一対の紙人形「七夕さん」を作り、笹竹に吊るして飾る習慣があったそうです。この人形は7月8日の朝からは、家の守り神「お留守居さん」になり、次の年の七夕までの一年間、家や田畑を泥棒や虫から守る役割を果たしたのだということを、資料館の方々から教えていただきました。

 

 受付で、小型の人形一対を作る材料の他に、オプションの大判の七夕紙セットもわけていただいて、大小の七夕人形づくりに挑戦してみることにしました。             

          

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    講師の方が、作り方のあれこれを教えてくださいました。
     

 いよいよ講習会が始まりました。まず小さい人形作りです。わけていただいた折り紙を何度か折り、ハサミで切り込みを入れて、上のポスターのような裾の長~い人形を作ります。まるで長袴のような姿になりました。

 

 大型の人形作りには、ごく薄い和紙を使います。赤・紫・黄・青のいずれかの紙と白い半紙を、ほんの少しずらして重ねて、気を付けながらハサミを入れていきます。出来上がると、長い裾の色紙と白紙とのコントラストも美しく、これだけ薄い紙なのに張りもあって、温かさを感じられる、和紙ならではの素晴らしさを実感できました。

  

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細かいところを、学芸員の方にご指導いただきました。

 

  私は男(彦星)人形には紫と白の紙を、女(織姫)人形には赤と白の紙を選びました。薄手の紙を、幅や長さをきちんとそろえて切り込みを入れていきます。ちょっと緊張する作業でしたが、かたわらに何人もの方々がつき添って親切にご指導くださいましたので、ぶじに大型の人形も完成させることができました。最後に資料館の裏から切ってこられたという笹竹がめいめいに配られ、お人形たちを枝から吊るして、これで「お留守居さん」の出来上がりです。

     
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人形を笹竹に飾って完成。
ご指導いただいた方々とご一緒に。


 

会場の豊富郷土資料館の前で。

     

 中央市からの帰り道、資料館で教えていただいた甲府市内の雨宮紙店にお寄りして、七夕人形作りに使う色紙を買い求めました。8月のギャラリー展示の折、旧暦の七夕まつりの日にでも、ご希望の方々とご一緒に「お留守居さん」人形を作ってみたいな、と思いながら中央道を走りました。

 

 小淵沢に戻り、リビングの出窓の前に本日の成果である七夕飾りを立ててみました。右上部の小型の人形と、左下の大型の人形の二対が、それぞれにいい味をかもし出していると思います。

 

 

  

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甲府市中央の紙屋さん。明治3年創業だそうです。

     

 

                                                                                                                  

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  山梨伝統の家を守る七夕人形を窓辺に

  置いてみました。いい感じです。