感謝祭の季節です。秋の終わりに。 - フラワーコーディネーター森 由美子のホームページ

花ごよみ

 

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感謝祭の季節です。秋の終わりに。

 

夏の高原の店「ギャラリー・フラワーカレンダー」は、当初7月末から9月いっぱいオープンする予定でしたが、期間中に来そびれた方々のご要望で、結局10月末まで週末ごとに開けておりました。たくさんの方々にご来店いただき、嬉しい出会いもいろいろありました。ありがとうございました。

 

今年は天候が不順で、雨や台風が多かったためでしょうか、庭の花々もいつもと勝手が違う様子で、とまどいながら咲いているという感じでした。でも8月には思いがけず庭いっぱいに白い花々が咲きました。白い花が大好きな私にはとても嬉しい眺めでした。(「白い庭」については、こちらをご覧ください。)

 

天候定まらぬ夏の日々が去り、庭や山々の秋色が濃くなり、あっという間に「秋」となり、さらに気が付けば晩秋です。

 

10月、11月は、秋祭りの季節です。秋祭りは洋の東西を問わず、収穫感謝の思いから始まったものがほとんどです。日本では仮装まつりと化しているような10月31日のハロウィンも、もとはといえばケルト人の収穫を祝う祭事ですし、清教徒たちが新天地を求めて渡ったアメリカでも、昔から11月第4木曜日に「収穫感謝の日」が祝われています。

 

 では「ギャラリー・フラワーカレンダー」で準備した収穫祭の装飾をお目にかけましょう。

 

 下の写真の装飾に使った器は、ヨーロッパから伝わった角笛の形をした「コーニュコピア」。ギリシャ神話に由来するもので、幼いゼウスに乳をあげた山羊の角をかたどったものと言われています。その角からは、望むがままに食べ物や飲み物があふれ出たという話で、豊穣の象徴とされています。

 

 コーニュコピアは一般的にはヤナギの枝で編んだ篭ですが、この器がひとつあると、毎年ちょっとした工夫で、趣きのある秋の装飾を仕上げることができます。写真の装飾には、カラマツ、ツツジ、秋色のアジサイ、ピラカンサス、赤ジソ、ホウズキ、クルミ、リンゴ(秋アカネ、紅将軍)、ナシ(アキヅキ)、ポポーの実を使っています。          

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「豊穣の角笛」からあふれんばかりの秋の恵みで、

 収穫の喜びを表しています。

 

    だいぶ前に作ったクリスマスのリースが残っていました(写真左)。モミの枝葉にトウヒと松ボックリを配したものですが、なかなか良い色になっていましたので、これをベースにしてタイザンボクのドライの葉とリンゴ、ホウズキを加えて、店のドアに飾るための秋のリースにしてみました(写真右)。             Tksgvg 2 m Tksgvg 3 m

納屋に眠っていたクリスマスリースが、秋色に染まっていていい感じです。撮影:岡本譲治

 

左のクリスマスリースを利用して、実りの季節にふさわしい秋のリースに変身させてみたものです。

 話の順序が逆になりましたが、感謝祭の装飾に欠かせない野菜や果物を求めに出かけました。まず、ご夫妻でおいしいリンゴを作っておられる藤本さんの庭園を久しぶりにお訪ねしました。果物や花材を分けていただきたいとお願いしましたところ、こころよく応じてくださいました。

 

 篭を抱えて、奥さんと一緒に果樹園に。広大な園内が一面秋色に染まっていて、ブルーベリーや世界三大紅葉樹の1つとも言われるスズランの木も見事に色づき、真っ赤なリンゴがたわわに実るワンダーランドでした。

 

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  袋がけされたリンゴ(秋アカネ)。
  スズメバチにかじられないように袋をかぶせたまま

  収穫するそうです。                

  枝もたわわなリンゴ(アイカ)。

  丹精された人たちの愛情が感じられます。

 

 リンゴの木の脇に、どこか見覚えのある木があるのに気が付きました。立ち止まって見ていると、奥さんが「これはポポーの木。今実がなっているのよ」と教えてくれました。

 

 50年も昔の話ですが、当時都下の小平にあった恵泉女学園の学生時代、果樹園の一角に大きな葉をつけた木を見つけて、果樹栽培の先生、秋山先生にお聞きしたところ、「これはポポーの木、またの名を恩給の木」という返事でした。

 

 ポポーの木は成長が遅く、実がなるまでにたいそう時間がかかるので、植えた人がリタイアしたころになってやっと果実が得られるということから、そのまたの名があるという説明でした。その実はかぐわしく美味であるとのこと。先生との会話が瞬時によみがえりました。

 

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  50年ぶりに再会したポポーの木。
  秋山先生のお顔と共に懐かしく想いだしました。

  色づいた葉の陰に、ポポーの実が見えます。
  緑のうちに収穫し、やがて少し黒ずみ、

      甘い香りが強くなったら食べごろとか。

 

 ポポーの木と葉には確かに見覚えがありましたが、実がなっているのを見るのは初めてでした。学生時代のあの木の実を見ることができ、賞味することも装飾に使うこともかないました。

 

 「ポポー」という名は、なにか南洋の果物の名みたいな響きですが、実は北米のカナダからフロリダまでに自生する温帯果樹であることが、藤本さんからいただいた資料で分かりました。後ほど友人たちと食べてみましたが、ねっとりとした果肉で、かなり甘く、香りが強いものでした。その香りに少し抵抗があるという人もいましたが、概して好評でした。

 

 アメリカでは「アメリカン・カスタードアップル」という呼び方もあるそうです。

                                                                                          
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スズランの木。北米東部原産の落葉低木。春に咲く芳香のある白い花がスズランの花によく似ていることから、スズランの木と呼ばれています。

 

 帰り道に、高根クラインガルテンに立ち寄りました。北杜市高根町にある市民農園ですが、その芝生広場でこの日は収穫祭が行われていました。

 

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クラインガルテンの収穫祭で、我が家の庭の手入れなどをいつもお願いしている楠瀬さんが、お店を出して

いました。お米や野菜も作っている方です。

 

帰る途中で眺めた八ヶ岳。すそ野はいまカラマツの黄葉が見事です。まもなく冠雪が見られることでしょう。