2017年 新春のご挨拶とお正月飾り - フラワーコーディネーター森 由美子のホームページ

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2017年 新春のご挨拶とお正月飾り

 

明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

     

   12月には、2度の教室を実施できました。月初めにはクリスマス装飾を、月末にはお正月の花飾りを皆様とともに学ぶことができました。

 

 お正月飾りの教室に用意した花材を使って、居間の一隅にお正月飾りをしつらえ、お客様をお迎えする準備をいたしました。右の写真のようになりました。

 

 「小松引き」の掛け軸の左脇に配したお正月飾りは、若竹の筒に千年老松と大王松を挿し入れ、挿し口に南天の赤い実を添えたものです。                   

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大小のお正月飾りに、お屠蘇セットと掛け軸を添えました。

 

 掛け軸の絵を拡大したものが右の写真です。平安時代の貴族たちは、正月の最初の「子(ね)の日」(2017年は1月1日)に野山に遊び、小松を引き抜く「小松引き」という行事を行いましたが、その様子が描かれたものです。

 

 引き抜いてきた「子の日の松」は、長寿祈願に家の入口に飾りましたが、これが門松の起こりだそうです。 

 

 関西の旧家などでは、いまでもお正月には玄関の両側に、根がついたままの小松(根引きの松)を白い和紙で包み、金と赤の水引を掛けて飾るそうですから、平安の世の「子の日の松」の伝統が引き継がれていることになります。                                                                                        

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    小松と一緒に若菜摘みもして遊んだそうです。
     

 最初の写真の右側に写っているのは、お屠蘇のセットですが、我が家にはお重箱やお椀など、長年にわたりお正月に使い続けている漆塗りの器がいろいろあります。

 

 お椀は、右の写真のようなものですが、お正月にふさわしい梅の花と鶴の絵柄になっています。

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 他に、大小のお盆や小さな器などがありますが、右の写真のような小ぶりの漆器は、花器としても使うことができて重宝するものです。   ny2017 4 m
     

 最初の写真の真ん中にあるのが、こうした小さな漆器を使ったお正月飾りです。もう少しクローズアップした写真でご覧いただきましょう。

 

 小さな装飾でもおもてなしの心を表現することができます。漆塗り器の重厚さが、新年を迎えた改まった気持ちとあいまって、すてきな雰囲気をかもし出してくれます。

 

 

 この小さなお正月飾りに使った花材等は下記の通りです。

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 〇庭に育っている万両

  (日陰が好きで、種をとばしてよく増えます。鉢植えでもよく育ちま     す。)

 〇松の小枝少々

 〇シンピジューム 1輪

 〇デンファレ 1本の先端部分

 〇黒豆

 〇赤松と五葉松の松かさ 各1

 

 五葉松の松かさは友人から送られてきたものですが、先端に白い松やにがつき、雪をかぶったような風情でなかなか美しいものです。

 

 黒豆も、毎年届く北海道の友人の心づくしです。黒豆の黒い色が魔除けの色とされていて、厄除けを願うものとしておせち料理に欠かせない肴三種(数の子、田作り、黒豆)のひとつになっています。

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小さな正月飾りは、次の手順で作ります。

 

 ①小ぶりの漆器の枡(ます)の中にオアシスをセットします。

 ②花をバランスよく活けて、足元に苔を貼って仕上げます。

 ③花を活けた枡をお盆に載せ、黒豆を敷きつめ、松かさを添えて出来上がりです。

 お正月が過ぎましたら、黒豆は黒豆茶や黒豆ご飯にしておいしくいただきましょう。

 

 生活の中で、身近にある植物を上手に使って、居心地のよい場所づくりをすることを、私は幼い頃母から学びましたが、いまでも衣食住に植物を活かすことにこだわり続けています

 

 人々が自然から学び、生活に生かして、居心地をよりよくしてきた創意工夫の成果は、いまの世にもたくさん伝わってきています。その一方で、多くの自然が身の回りから失われつつあります。私たちの生活を豊かにする先人たちの知恵を大事にし、自然から学ぶ興味と努力を持ち続けていきたいものです。

 

 多くの生徒さんと花卉装飾を学ぶ中で、私の思いがどれほど伝わっているか分かりませんが、私自身は自然のままに、今年も植物に寄り添って楽しく充実した生活を過ごしていこうと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 この文章をつづっている大晦日、孫たちが遊びに来ました。残っている花材を使って、自由に自分たちのお正月飾りを作りました。

 

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孫の2人が思い思いに花材を活けています。   左が2人で仕上げたお正月飾り。   上の孫は、水引飾りを細工しています。