特別展『麦わら細工の世界』に出展します。 - フラワーコーディネーター森 由美子のホームページ

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特別展『麦わら細工の世界』に出展します。

 

10月28日(土)より、東京・大田区の郷土博物館で、特別展『麦わら細工の世界』が開催されます。この特別展には、森 由美子の「世界の麦わら細工」コレクションも出展いたします。大田区ならではの興味深い企画ですので、ぜひ一度お立ち寄りくださいますようお願い申し上げます。

 

  会期: 2017年10月28日(土)~12月24日(日) 休館:毎週月曜日

  時間: 午前9時~午後5時

  会場: 大田区立郷土博物館

  住所: 東京都大田区南馬込5-11-13

  電話: 03-3777-1070

 

     

  会期中に〈麦わらのクリスマスリース作り〉の体験催事が行われます。

 

  日時: 12月3日(日) 午前9時30分~午後12時30分、午後1時30分~4時30分

  講師: 森 由美子

  対象: 中学生以上 各回20名

  費用: 無料

  申込: 11月1日(水)午前8時30分から電話で受付

   

     

   大田区大森は、かつて東海道の「品川宿」と「川崎宿」の中ほどにある「間の宿」として茶店や土産物屋が軒を連ねていました。ここで人気を博していたのが「大森麦わら細工」でした。江戸時代、郷里へ向かう旅人たちが、家で待つ子供たちのために、競って買い求めた江戸土産だったそうです。

 

 旅人で賑わう大森の麦藁細工店の様子は、1830年代の『江戸名所図会』にも描かれています。池波正太郎の『鬼平犯科帳』には、この図会からヒントを得たとおぼしき場面が再三現れますが、「穴」や「泥鰌の和助始末」には「大森村の名産・麦わら細工」のねずみや鳩が登場しています。

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『江戸名所図会』より「麦藁細工」。大森村の麦わら細工店の賑わいを描いています。

 

 近世に入り、人々の往来が鉄道へと移行すると、大森の麦わら細工は急速に衰えて、第二次大戦の頃には、継承する人も途絶えてしまいました。

 

 その伝統の麦わら細工が、半世紀のときを経て、現在大田区立郷土博物館と地元有志のご努力により、復活と復元が着々と進められています。

 

 今回の特別展では、大森の伝統的な麦わら細工、西の麦わら細工の里として知られる兵庫県・城崎の麦わら細工と共に、私の「世界の麦わら細工」コレクションが展示されます。                                                                                      

     

 私のコレクションの第1号は、アメリカで見つけたスウェーデン製の麦わら細工で、1968年にさかのぼります。

 

 この年、私はアメリカを代表するフローラルデザイナーのビル・ヒクソン先生のお招きで、先生とスウェーデン人のリタさんと私の3人でアメリカ10州で米・欧・日のフラワーデザインを披露するという仕事をさせていただきました。

 

 その折に、クリーブランドの先生のお店で、野原の花々と蝶をあしらったスウェーデン製の麦わらリースを見つけ、素朴さと麦の色合いが気に入て買い求めました。麦わら細工のすばらしさは、年を重ねるごとに深みのある光沢を帯びて、美しさを増してゆくことです。右の作品を手に入れてからもう50年にもなるのですが、いまでもときどき取り出しては、その美しさに魅了されています。

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     私の麦わら細工コレクションの第1号がこの作品です。
     

 その後ヨーロッパへ行く機会が増え、クリスマスシーズンにはヨーロッパ各国のクリスマス市巡りをせっせといたしました。

 

 クリスマス市には様々なクリスマスグッズが並んでいますが、とりわけ麦わら細工のクリスマスオーナメントとの出合いは嬉しいものでした。

 

 最初の出合いは、1989年、ドイツ・アウクスブルクのクリスマス市でのことでした。カラフルなクリスマスの装飾品であふれている屋台が連なる中で、どちらかというと地味な色合いの麦わら細工の屋台を見つけました。

 

 素朴ながら巧みに編み上げられた細工の妙に驚き、麦わら独特の美しい光沢に魅せられて、ひとつひとつ手に取って眺めていると、どれもが素晴らしく選ぶのに苦労したことを懐かしく思い出します。

 

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    アウクスブルクのクリスマス市で麦わら細工の店を見つけました。
     

  世の東西を問わず、伝統的な手工芸品の多くは、身近な素材から作られています。麦が主食であったヨーロッパでは、日本人が稲わらを使って様々な細工物を作ってきたのと同様に、麦わらが日用品や装飾品を作る素材でした。クリスマスなど、季節の行事を彩る装飾品として、昔は今よりずっと多くの麦わら細工が用いられていたことでしょう。

 

 ヨーロッパのクリスマス市で、麦わら細工を売っている店で聞いてみると、その多くが近隣の農民が農閑期にせっせと作った装飾品だということが分かります。売っている人自身が手作りした細工であることもよくあります。

 

 屋台の店で売られているのは、都会の商店はまず扱っていないものです。そうした貴重な品々に逢いたくて、一時は毎年のようにヨーロッパへ足を運びました。

 

 以下に、私のコレクションの中から、麦わら細工のクリスマスオーナメントをいくつかご紹介しましょう。

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      ドイツの麦わら細工で飾ったクリスマスツリー。

                                              

          

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クリスマスツリーのトップに飾るスタートップ(オーストリア)   キャンドルリース(デンマーク)  
                                                           

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天使のスタートップ(オーストリア)   スタートップ(ドイツ)   ベルのリース(チェコ)
         

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クリスマスリース(ハンガリー)   クリスマスの山羊(スウェーデン)   ドア飾り(ドイツ)